データの集計は日常業務で欠かせない作業です。Excelでは、さまざまな関数を使って簡単にデータを集計することができます。この記事では、最も基本的で便利な集計関数 SUMとその派生であるSUMIF, SUMIFSなどの使い方およびそれぞれの活用場面を説明します。
目次
・SUM関数の使い方と活用場面
・SUMIF関数の使い方と活用場面
・SUMIFS関数の使い方と活用場面
・SUM, SUMIF, SUMIFSの違いと使い分け
・まとめ
1. SUM関数
基本構文
=SUM(範囲)
- 範囲:合計したいセルの範囲を指定します。複数範囲を指定することも可能です。
使い方の例
例えば、売上データが A2:A10にある場合、合計を求めるには次のようにします。
=SUM(A2:A10)
この式は、セルA2からA10までの数値をすべて合計します。

活用場面
- 単純な数値データの集計が必要なとき。
- 売上やコストの合計値、人数の合計など、基本的な合計計算に利用。
2. SUMIF関数
基本構文
=SUMIF(範囲, 条件, [合計範囲])
- 範囲:条件を確認する範囲。
- 条件:合計するために満たすべき条件。文字列、数値、演算子(>, <, = など)を使用できます。
- 合計範囲(省略可能):合計したいセルの範囲。指定しない場合、範囲の中で合計が行われます。
使い方の例
例えば、B列に商品カテゴリ、C列に売上データがある場合、「家電」カテゴリの売上合計を求めたいときは次のようにします。
=SUMIF(B2:B10, “家電”, C2:C10)
- B2:B10 カテゴリが書かれた範囲。
- “家電” 合計したいカテゴリ(条件)。
- C2:C10 合計する売上データ。

活用場面
- 特定の条件を満たすデータのみを合計したい場合(例:特定の商品カテゴリや営業担当ごとの売上を集計する)。
- 条件付きで特定の数値を集計する必要がある場合に有効。
3. SUMIFS関数
基本構文
=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], …)
- 合計範囲:合計したいセルの範囲。
- 条件範囲1:最初の条件を確認する範囲。
- 条件1:合計するために満たすべき最初の条件。
- 条件範囲2(省略可能):2つ目の条件を確認する範囲。
- 条件2(省略可能):2つ目の条件に合致する場合にのみデータが合計されます。さらに多くの条件も追加可能。
使い方の例
複数の条件に基づいてデータを合計することができます。例えば、B列にカテゴリ、C列に売上データ、D列に日付がある場合、「家電」カテゴリで2024年の売上合計を求めるには次のようにします。
=SUMIFS(C2:C10, B2:B10, “家電”, D2:D10, “>=2024/1/1”, D2:D10, “<=2024/12/31”)
- C2:C10 合計したい売上データの範囲。
- B2:B10 「家電」カテゴリを検索する範囲。
- D2:D10:日付が入っている範囲。
- >=2024/1/1 と <=2024/12/31 2024年内の売上を合計する条件。

活用場面
- 複数の条件を使ってデータを精密に集計したい場合。
- 例えば、特定の商品カテゴリと特定の期間内の売上合計、特定の担当者と地域のデータを同時に絞り込んで集計する場合。
SUM, SUMIF, SUMIFSの違いと使い分け
項目 | SUM | SUMIF | SUMIFS |
条件付きの合計 | なし | 1つの条件に基づいて集計 | 複数の条件に基づいて集計 |
使用シーン | 単純なデータ集計 | 1つの条件でデータを絞りたいとき | 複数条件でデータを絞りたいとき |
処理速度 | 高速 | 高速 | 条件が多いほど処理に時間がかかるが精密 |
使用例 | 売上合計の集計 | 特定のカテゴリの売上合計 | 特定のカテゴリと期間の売上合計 |
まとめ
Excelでの集計作業は、業務の効率化や分析に欠かせないスキルです。SUM、SUMIF、SUMIFSを使うことで、単純なデータの合計から、複雑な条件に基づく集計まで幅広く対応できます。特に、条件付きでデータを集計する場面が多い場合は、SUMIFやSUMIFSを活用することで、より効率的なデータ分析が可能になります。