AI時代にこそ必要なスキル①「課題認識力」
―“課題について考える習慣”で仕事の質が跳ね上がる!
生成 AIが当たり前になり、企画のブラッシュアップやレポート作成を ChatGPT に任せる機会が急増しました。
しかし現場では――
- 「返ってきた答えが薄い」
- 「論点がズレて迷走する」
といった悩みをよく聞きますし、そう感じることは多いです。
原因の多くは問いの立て方。
ChatGPT は“超優秀な常識人”──与えられた枠内だけで最適解を返すため、課題設定が曖昧なら成果物も曖昧になります。
そこで鍵になるのが 「まず課題を疑う」3つの習慣 です。
① 目的を見直す ② 視点を変える ③ 課題自体を疑う――。
以下、各習慣を 〈なぜ重要?〉→〈チェックポイント〉→〈具体例〉 の同じ型で解説します。
① 目的を見直す
〈なぜ重要?〉
手段が目的化すると、AIはズレた指示を忠実に実行してしまう。
〈チェックポイント〉
- 誰が・何を得る?(最終受益者と価値を明確に)
- 成功指標は?(PV/CTR/応募数など一つに決める)
- やらないと困る?(困らなければ別施策で代替可)
〈具体例〉
「SNSでバズる投稿を作りたい」という依頼。バズり自体が目的か、応募数+30 %が目的かでアウトプットは180°変わる。社内報も「社内コミュニケーションを1.5倍にしたい」が本音なら、雑談チャンネル開設の方が早いことも。
② 視点を変える
〈なぜ重要?〉
立場や時間軸が変わると見える課題が一変し、落とし穴を早期に発見できる。
〈チェックポイント〉
- 立場をズラす(顧客/現場/経営の順に眺める)
- 時間をズラす(今/3 か月後/1 年後で成果とリスク比較)
- スケールをズラす(自分/チーム/全社でインパクト再計算)
〈具体例〉
「新機能を追加したい」という開発視点は魅力的でも、1 年後の保守工数を経営視点で見るとコスト増になるかもしれない。ホワイトボードに立場×時間×スケールで付箋を貼ると矛盾が可視化される。
③ 課題そのものを疑う
〈なぜ重要?〉
“取り組む価値があるか” を問わず進めると、本質から外れた大量タスクに時間を奪われる。
〈チェックポイント〉
- ゼロベースで想像(もしその課題が存在しなければ?)
- 価値を別ルートで得る(会議→共有シート、PDF→ダッシュボード)
- やらないメリットを数字化(削減時間・コストを算出)
〈具体例〉
「進捗会議が長い」問題。会議短縮より“リアルタイムダッシュボード+QAチャット”で会議自体を不要にできるかもしれない。レポート作成15 h/月をダッシュボード化10 hで初期投資し、以降ゼロにする方がインパクトが大きい。
まとめ――“課題を確認する時間”をルーティーンに
① 目的を見直す: やるべきことのズレを防ぐ
② 視点を変える : 見落とし・矛盾を早期発見
③ 課題を疑う : 本質を外すタスクを排除
プロンプト作成段階で「目的」「視点「存在意義」 を問い直すだけでも、AI から返る答えの精度は確実に向上します。まずはより意識を強め習慣化させていくことが大事です。
次回は、AI との対話の文脈をよみとることで、情報の深さを向上させる「コンテキストスキル」の話をします。ぜひ今日からこの “課題確認タイム” をルーティンに取り入れてみてください。成果が静かに、でも確実に変わり始めるはずです。